パチンコ(製造)業界の戦略(市場リサーチ・競合企業調査)

脱・射幸性依存:スマート遊技機とデータが拓く、パチンコ機器メーカーの次世代バリュー創出戦略

  1. 第1章:エグゼゼクティブサマリー
    1. 本レポートの目的と調査範囲
    2. 業界の現状と最重要結論
    3. 主要な戦略提言
  2. 第2章:市場概観(Market Overview)
    1. 2.1 パチンコホール市場の動向
    2. 2.2 遊技機市場の動向
    3. 2.3 主要メーカーのシェアとKPI
  3. 第3章:外部環境分析(PESTLE Analysis)
    1. 3.1 政治(Politics)
    2. 3.2 経済(Economy)
    3. 3.3 社会(Society)
    4. 3.4 技術(Technology)
    5. 3.5 法規制(Legal)
    6. 3.6 環境(Environment)
  4. 第4章:業界構造と競争環境の分析(Five Forces Analysis)
  5. 第5章:サプライチェーンとバリューチェーン分析
    1. 5.1 サプライチェーン分析
    2. 5.2 バリューチェーン分析
  6. 第6章:顧客(パチンコホール)の需要特性分析
    1. 6.1 ホールが遊技機に求める価値(KBF: Key Buying Factor)
    2. 6.2 顧客セグメント分析
  7. 第7章:内部環境分析
    1. 7.1 VRIO分析
    2. 7.2 人材動向
    3. 7.3 労働生産性
  8. 第8章:AIの影響とインパクト
    1. 8.1 企画・開発プロセスへのインパクト
    2. 8.2 品質保証・デバッグへのインパクト
    3. 8.3 製造・サプライチェーンへのインパクト
    4. 8.4 新たなビジネス創出の可能性
  9. 第9章:主要トレンドと未来予測
    1. 9.1 スマート遊技機とデータ利活用の本格化
    2. 9.2 IP戦略の深化:「推し活」消費との完全なる融合
    3. 9.3 二極化の最終局面
    4. 9.4 海外展開の可能性
  10. 第10章:主要プレイヤーの戦略分析
    1. 分析
  11. 第11章:戦略的インプリケーションと推奨事項
    1. 11.1 業界の成功要因(Key Success Factors)
    2. 11.2 直面する機会と脅威
    3. 11.3 戦略的オプションの提示と評価
    4. 11.4 最終提言とアクションプラン
  12. 第12章:付録
    1. 参考文献・引用データ・参考ウェブサイト
    2. 専門用語解説
      1. 引用文献

第1章:エグゼゼクティブサマリー

本レポートの目的と調査範囲

本レポートは、パチンコ機器製造業界が直面する複合的かつ構造的な危機、すなわち①参加人口の長期的な減少と高齢化、②射幸性を抑制する方向での度重なる規則改正、③スマート遊技機への移行、そして④異業種エンターテインメントとの可処分時間争奪戦の激化を深く分析し、この厳しい環境下で持続的な成長を達成するための戦略的針路を提示することを目的とする。調査対象は、パチンコ・パチスロ遊技機の企画、開発、製造、販売に関わる全てのプレイヤー、すなわち遊技機メーカー、関連部品・ソフトウェアサプライヤー、およびIP(知的財産)ホルダーとする。

業界の現状と最重要結論

パチンコ機器製造業界は、単なる市場縮小期にあるのではない。その根幹をなす「価値の源泉」そのものが不可逆的に変化する、歴史的な転換点に立たされている。射幸性の高さを主な訴求点としてきた従来の「モノ売り」ビジネスモデルは、規制強化と社会環境の変化により、もはや限界に達している。

本分析が導き出した最重要結論は、スマート遊技機がもたらす「データ」と、有力IPが提供する「体験価値」を新たな中核に据えた、「コト・サービス売り」へのビジネスモデル転換が、業界にとって唯一の活路であるということだ。この構造変革に成功するか否かが、今後数年間のうちに業界の勝者と敗者を明確に分かつことになるだろう。スマート遊技機への移行は単なるハードウェアの入れ替えではなく、業界のビジネスロジックそのものを再定義するゲームチェンジなのである。

主要な戦略提言

上記の分析に基づき、取るべき事業戦略として、以下の3点を強く推奨する。

  1. 事業の再定義:「総合エンターテインメント・ソリューションプロバイダー」への変革
    遊技機本体の販売によるフロー収益を事業の中核に維持しつつ、スマート遊技機から得られる稼働データを活用したホール向けデータコンサルティング事業(ストック収益)と、IPの世界観を多角的に展開するライセンスおよび体験価値提供事業(ストック収益)を、新たな収益の柱として確立する。これにより、ヒット機種の有無に業績が左右される不安定な収益構造から脱却する。
  2. スマート遊技機への戦略的集中とデータエコシステムの構築
    現在、市場を牽引しているスマートパチスロ(スマスロ)市場でのシェアを盤石なものとし、その成功要因を分析して伸び悩むスマートパチンコ(スマパチ)の課題解決を主導する。同時に、遊技機情報センターに集約されるビッグデータを活用し、ホール経営(機種選定、設置構成、営業戦略)を最適化する独自の分析プラットフォームを開発・提供することで、業界内でのデータ覇権を確立する。
  3. 開発プロセスの抜本的DX(デジタル・トランスフォーメーション)
    AI(人工知能)とデジタルツイン技術を企画、開発、デバッグ、製造のバリューチェーン全体に全面的に導入する。これにより、高騰し続ける開発費と長期化する開発期間という、収益性を蝕む最大の構造的課題を打破する。このDXによって創出された開発リソース(時間・コスト・人材)を、新たなゲーム性の創出や魅力的なIPの企画といった、本源的価値を高める領域に再投資する。

第2章:市場概観(Market Overview)

2.1 パチンコホール市場の動向

パチンコ機器メーカーの直接的な顧客であるパチンコホール市場は、長期にわたる構造的な縮小と質的な変化に直面している。

店舗数と設置台数の長期減少トレンドと二極化
警察庁の統計によると、パチンコホール店舗数は1995年のピーク時(18,244店)から一貫して減少し、2023年末には7,083店、2024年末予測では6,706店まで縮小している 1。この減少傾向は今後も続くと見られ、矢野経済研究所は2028年には5,900店まで減少すると予測している 5。
しかし、この全体数の減少は、市場の一様な縮小を意味しない。むしろ、市場の「二極化」が進行していることの証左である。1店舗あたりの平均設置台数は年々増加しており、2022年末の465台から2024年末には496.0台へと拡大している 3。これは、資金力に乏しい中小・個店ホールが淘汰される一方で、豊富な資金を持つ大手チェーンが店舗の大型化やM&Aを通じてシェアを拡大していることを示している 1。この顧客基盤の集約は、メーカーにとって買い手の交渉力が増大することを意味し、単にヒット機種を開発するだけでなく、大手チェーンの高度な要求(データ連携、長期的な稼働サポートなど)に応えるソリューション提供能力が不可欠となっていることを示唆している。

市場規模と参加人口の推移
公益財団法人日本生産性本部の「レジャー白書」によると、パチンコ市場規模(貸玉・貸メダル料ベース)は近年14.6兆円レベルで横ばいを維持している 6。しかし、これはスマート遊技機の導入などによるプレイヤー一人当たりの消費単価上昇に支えられている側面が強く、市場の健全性を示す指標とは言い難い。より本質的なプレイヤーベースである参加人口は、かつて「3,000万人」と呼ばれたピーク時から劇的に減少し、2020年には710万人、2022年には720万人と、700万人前後で低迷している 1。

2.2 遊技機市場の動向

遊技機市場は、スマート遊技機への移行を巡り、セグメント間で大きな構造変化が起きている。

市場規模とセグメント別分析
矢野経済研究所の調査によれば、2023年度のパチンコ関連機器市場(遊技機および周辺設備機器)は、メーカー売上金額ベースで8,826億円(前年度比114.6%)と拡大した 13。しかし、この成長はスマートパチスロ(スマスロ)の導入が本格化したことによる周辺設備機器市場の急拡大(同212.3%増)という一時的な特需に大きく依存している。
遊技機本体の市場を見ると、パチンコとパチスロで明暗が明確に分かれている。2023年度のパチスロ機市場は3,494億円(同125.0%増)と急伸したのに対し、パチンコ機市場は3,628億円(同88.4%減)と二期連続で前年度割れとなった 13。この傾向は販売台数にも表れており、2024年の販売台数はパチンコが約78.5万台(前年比81%)と大きく落ち込んだのに対し、パチスロは約72.1万台(同96%)と高水準を維持した 15。

スマート遊技機の浸透状況
この市場の二極化は、スマート遊技機の普及状況の違いによって引き起こされている。2022年11月に導入が開始されたスマスロは、高いゲーム性と出玉性能が若年層を中心に支持され、市場の起爆剤となった 7。2024年のパチスロ販売台数上位10機種は全てスマスロが占めており、既に市場の主役として定着している 15。
一方で、スマートパチンコ(スマパチ)は、出玉性能向上の期待とは裏腹に、市場への浸透が伸び悩んでいる 13。これは、スマスロほどの明確なゲーム性の革新を打ち出せていないことや、ホールの投資が好調なスマスロに集中していることが要因と考えられる。この「スマート遊技機移行の二極化」は、メーカーにとって極めて重要な戦略的示唆を持つ。パチスロでは活況な代替需要市場でのシェア獲得競争が焦点となるが、パチンコではスマパチという新技術の価値提案そのものを市場に証明するという、より根本的な課題に直面している。

指標2019年2020年2021年2022年2023年2024年2028年予測
ホール店舗数N/A9,0358,4587,6657,0836,7065,900
総設置台数 (万台)N/AN/A381.4356.4342.6332.6308.4
1店舗あたり平均台数N/AN/A451.0465.0483.7496.0N/A
参加人口 (万人)N/A710N/A720660N/AN/A
遊技機販売台数 (万台)N/A135.7N/A175.8172.2150.6N/A
– パチンコ機 (万台)N/AN/AN/A103.797.278.5N/A
– パチスロ機 (万台)N/AN/AN/A72.175.072.1N/A

出典: 警察庁、レジャー白書、矢野経済研究所、業界報道等 1

2.3 主要メーカーのシェアとKPI

市場が縮小し、競争が激化する中で、メーカー間の格差も拡大している。矢野経済研究所の分析によると、パチンコ機市場ではSANKYOが圧倒的なシェアを維持し、2番手グループとの差を広げている 13。一方、パチスロ機市場では上位3社への寡占化が進行している 13。各社の収益性(営業利益率)や将来への投資姿勢(研究開発費率)は、IR資料から読み取れるが、ヒット機種の有無によって年度ごとの変動が激しい。安定した高収益を維持している企業は、特定のヒットシリーズや強力なIPポートフォリオといった、持続的な競争優位の源泉を保有していることがうかがえる。

第3章:外部環境分析(PESTLE Analysis)

3.1 政治(Politics)

遊技機業界は、行政の意向に事業の根幹が左右される「規制産業」としての性格が極めて強い。

  • 規則改正: 警察庁および国家公安委員会による「遊技機の規則」の改正は、メーカーにとって最大の外部環境要因である。射幸性の抑制を一貫した目的とするこれらの改正は、出玉性能の上限やゲーム性の設計に直接的な制約を課してきた 18。スマート遊技機で新たに認められた「Cタイム」(ラッシュ終了後などに突入するチャンス機能)や「コンプリート機能」(一日の出玉上限に達すると遊技が停止する機能)も、この規制の枠組みの中で許容された技術革新であり、メーカーは常に規制の範囲内で最大限の魅力を創出する努力を強いられる 19。
  • 依存問題対策: 2018年に施行された「ギャンブル等依存症対策基本法」は、パチンコを「ギャンブル等」と明確に位置づけ、業界に対する社会的・政治的な監視を強化した 22。これにより、広告宣伝の自主規制強化や、依存防止策としてコンプリート機能の搭載が義務化されるなど、事業活動への直接的な影響が及んでいる 25。

3.2 経済(Economy)

  • 個人消費と部材価格: 日本経済の長期停滞と個人可処分所得の伸び悩みは、娯楽費である遊技への支出を抑制するマクロ的な逆風となっている。一方で、世界的な半導体不足や液晶パネル、モーター等の部材価格高騰は、遊技機の製造原価を押し上げ、メーカーの収益性を圧迫している。これが遊技機価格の高騰、ひいてはホールの投資意欲減退に繋がる悪循環を生んでいる 28。
  • ホールの投資動向: ホール経営企業の資金調達環境は厳しく、設備投資は極めて選別的になっている。市場を牽引するスマスロ関連の設備(専用ユニット等)への投資は活発だが、それ以外の投資、特に導入が伸び悩むスマパチへの投資には慎重な姿勢が見られる 7。

3.3 社会(Society)

  • 人口動態と価値観の変化: 参加人口の長期的な減少と、残存するプレイヤー層の高齢化は業界の存続を脅かす最重要課題である 1。特に若者層は、スマートフォンを起点とする多様なエンターテインメントに囲まれており、短時間で高い満足度を得たい「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する価値観が支配的である 30。結果が不確実で、長時間拘束される可能性のあるパチンコ・パチスロの伝統的なゲーム性は、この価値観と根本的に相性が悪い。このミスマッチを解消しない限り、若年層の新規ファン獲得は極めて困難である。
  • IPコンテンツとの親和性: 一方で、若者文化との接点も存在する。アニメやゲームといったIP(知的財産)のファンによる「推し活」と呼ばれる熱心な消費活動は、大きな経済的ポテンシャルを秘めている。パチンコ・パチスロとのタイアップは、これらのIPファンを遊技に引き込む強力なフックとなり得る 32。

3.4 技術(Technology)

  • スマート遊技機: 玉やメダルという物理的媒体から解放されたスマート遊技機は、単なる利便性向上に留まらない技術的変革をもたらした。前述のCタイムやコンプリート機能に加え、遊技データをデジタル情報として正確に収集・管理することが可能になった 10。
  • データ基盤の整備: 全てのスマート遊技機の稼働データを集約する「遊技機情報センター」の設立は、業界全体のデータ利活用のためのインフラとなる。このデータをどう活用するかが、今後のメーカーの競争力を左右する。
  • 表現技術の高度化: 液晶画面の大型化・高精細化、音響システムのサラウンド化、そしてプレイヤーを驚かせる物理的な役物(ギミック)の複雑化は、遊技の没入感を高めてきた。しかし、この技術的進化が、開発費と開発期間を増大させる最大の要因となっている 28。

3.5 法規制(Legal)

  • 風俗営業適正化法: パチンコホールの営業許可、構造設備、営業時間、広告宣伝など、業界のあらゆる活動を規定する根幹法規である。
  • 型式試験: 新しい遊技機を市場に投入するためには、指定試験機関である保安通信協会(保通協)またはGLI Japanによる型式試験に適合する必要がある。この試験の適合率は常に変動し、時に著しく低下することがある。適合率の低迷は、メーカーの開発スケジュールに深刻な遅延をもたらし、経営上の大きなリスク要因となっている 37。
  • 広告宣伝ガイドライン: 2025年7月1日から本適用される「広告宣伝ガイドライン第3版」は、ホールによる集客活動に大きな影響を与える。新台入替の告知基準の厳格化、「おすすめ機種」の表示ルールの設定、出玉を示唆するイベントの事実上の禁止など、これまでグレーゾーンで行われてきた多くの集客手法が規制される 43。この変化は、ホールが射幸心を煽る「出玉」での集客から、遊技機そのものの魅力、すなわちIPやゲーム性といった「体験価値」での集客へとシフトせざるを得ない状況を生み出している。これは、メーカーにとって、よりエンターテインメント性の高い機種開発への強力な追い風となり得る。

3.6 環境(Environment)

  • 3R(Reduce, Reuse, Recycle): 使用済み遊技台の適正な廃棄・リサイクルは、企業の社会的責任として重要度を増している。部材の共通化やリサイクルしやすい設計など、環境配慮への取り組みがメーカーに求められている。

第4章:業界構造と競争環境の分析(Five Forces Analysis)

マイケル・ポーターのFive Forcesモデルを用いて業界の収益性を規定する5つの競争要因を分析すると、パチンコ機器製造業界が極めて厳しい競争環境に置かれていることが明らかになる。

  • 供給者の交渉力:極めて強い
    業界の収益構造において、供給者の交渉力は際立って強い。特に、ヒットの成否を大きく左右する有力IPの版権元(アニメ制作会社、出版社、ゲーム会社など)は、極めて強力な交渉力を持つ。メーカーは『エヴァンゲリオン』や『北斗の拳』といったキラーコンテンツを確保するため、高額なライセンス料の支払いや厳しい監修条件を受け入れざるを得ない状況にある 35。また、高性能な半導体や特殊な役物(ギミック)を供給する一部の部品メーカーも、代替が困難な場合には強い交渉力を発揮する。
  • 買い手の交渉力:強い(かつ増大傾向)
    買い手であるパチンコホールの交渉力は、市場構造の変化に伴い年々増大している。ホール数の絶対的な減少と、大手チェーンへの寡占化の進行がその主因である(第2章参照)。特に、購買力と情報分析能力に優れた大手チェーンは、複数のメーカーを比較検討し、厳しい価格交渉や性能評価を行う。稼働実績に基づいたシビアな機種選定が常態化しており、メーカーは単に新台を納品するだけでなく、長期的な稼働を約束する付加価値を提供しなければ選ばれない時代になっている。
  • 新規参入の脅威:極めて低い
    この業界への新規参入は事実上不可能に近い。その障壁は多岐にわたり、極めて高い。
    1. 法的障壁: 風俗営業適正化法に基づく厳格な製造・販売の許認可。
    2. 技術的障壁: 保通協の型式試験をクリアするための、規則の深い理解と高度な技術的ノウハウ。これは長年の経験の蓄積であり、暗黙知の塊である。
    3. 投資障壁: 1機種あたり数億から10億円に達する巨額の開発投資。
    4. 流通障壁: 全国に張り巡らされた販売会社(ディーラー)との強固な関係性の構築。
      これらの障壁が組み合わさることで、新規参入の脅威は極めて低いレベルに抑制されている。
  • 代替品の脅威:極めて高い(最大の脅威)
    業界が直面する最大の脅威は、代替品からもたらされる。ここでの代替品とは、他のパチンコメーカーの機種ではなく、ユーザーの「可処分時間」と「可処分所得」を奪い合う全てのエンターテインメントを指す。スマートフォンゲーム、家庭用ゲーム、YouTubeやNetflixなどの動画配信サービス、SNS、競馬や競輪といった公営競技など、その範囲は無限に近い。特に、手軽に始められ、短時間で満足感を得られる「タイパ」に優れたスマートフォンゲームは、若者層の時間を奪う最大の競合である 30。業界内の競争に勝利しても、代替品との競争に敗れれば市場全体が消滅しかねないという、深刻な脅威に晒されている。この分析は、業界の主戦場が「メーカー間のシェア争い」から「異業種エンタメとの時間争奪戦」へと移行していることを示している。
  • 業界内の競争:非常に激しい
    新規参入の脅威が低い一方で、既存メーカー間の競争は熾烈を極める。SANKYO、セガサミーホールディングス、平和、ユニバーサルエンターテインメントといった大手メーカーが、限られたパイを奪い合う構図となっている。ヒット機種の有無が単年度の業績を劇的に左右する「一本足打法」的な収益構造が、この競争をさらに激化させている。有力IPの獲得競争や、ホールの注目を集めるための派手な役物開発競争が過熱し、結果として開発費の高騰を招いている。

第5章:サプライチェーンとバリューチェーン分析

5.1 サプライチェーン分析

パチンコ機器業界の伝統的なサプライチェーンは、以下の直線的な流れで構成される。
部品メーカー(電子部品、液晶、役物)→ 遊技機メーカー(企画・開発・組立)→ 販売会社(ディーラー)→ パチンコホール → ユーザー
しかし、スマート遊技機の導入は、このサプライチェーンに構造的な変化を強いている。

  • 物理的媒体の消滅による影響: スマート遊技機は玉やメダルを物理的に循環・補給する必要がないため、これまでサプライチェーンの重要な一角を占めてきた玉・メダル補給機メーカーのビジネスモデルを根底から揺るがしている。これらの企業は、スマート遊技機専用ユニットの供給や、関連する島工事などへ事業の軸足を移さざるを得ない 13。
  • システムインテグレーションの重要性: スマート遊技機は、単独で機能する「箱」ではない。専用ユニット、ホールコンピュータ、景品管理POS、会員システムといったホール内の各種ITシステムとネットワークで連携することが前提となる 10。これにより、遊技機メーカーと販売会社には、単に製品を納品するだけでなく、顧客であるホールのIT環境全体を理解し、システムインテグレーションを支援する能力が新たに求められる。販売会社の役割は、単なる物理的な仲介者から、ホールのDXを支援するソリューションパートナーへと進化する必要に迫られている。
  • データフローの発生: 最も重要な変化は、ユーザーの遊技データがデジタル情報として遊技機からホールコンピュータ、さらには遊技機情報センターへと流れる、新たなデータフローが生まれたことである。これにより、従来の「モノ」の一方通行の流れに加え、「データ」の双方向の流れがサプライチェーンに加わった。このデータフローを制し、価値に転換できるプレイヤーが、将来の業界の主導権を握る可能性が高い。

5.2 バリューチェーン分析

遊技機メーカーの社内活動における価値創造の連鎖(バリューチェーン)は、以下の主要活動から構成される。
IP選定・企画 → ソフトウェア・ハードウェア開発 → 型式試験申請 → 製造・組立 → 販売・マーケティング → アフターサポート
価値の源泉(Value Proposition)は、時代と共に変化している。

  • 過去: 価値の源泉は、主に「ソフトウェア・ハードウェア開発」段階における革新的なゲーム性(例:フィーバー機、AT機)の創出と、「型式試験申請」段階における規制をクリアする技術的知見にあった。
  • 現在: 規制強化によりゲーム性の自由度が狭まる中、価値の源泉は「IP選定・企画」段階における有力IPの魅力への依存度を著しく高めている。ヒット機種の多くが、原作の知名度やファン層に支えられているのが現状である。
  • 未来: スマート遊技機とデータ活用の時代において、新たな価値の源泉が生まれつつある。それは「アフターサポート」の領域を超えた、稼働データを分析し、ホール経営を支援するサービス提供である。これにより、遊技機を販売して終わり(フロービジネス)ではなく、販売後も継続的に価値を提供し続けるストックビジネスへの転換が可能となる。

第6章:顧客(パチンコホール)の需要特性分析

6.1 ホールが遊技機に求める価値(KBF: Key Buying Factor)

パチンコホールが遊技機を選定する際の購買決定要因(KBF)は、複数の要素が複雑に絡み合っている。その優先順位はホールの経営戦略や規模によって異なる。

  1. 短期的な集客力(瞬発力): 新台入替の最大の目的は集客であり、導入初期にプレイヤーの注目を集め、客数を増加させる能力は依然として最重要のKBFである 49。特に、話題性の高い大型IPとのタイアップ機や、射幸性の高いスペックを持つ機種は、この「瞬発力」への期待から購入されることが多い。
  2. 長期的な稼働貢献度(持続力): 導入初期の盛り上がりが過ぎた後も、長期間にわたって安定した稼働(プレイヤーが遊技している時間の割合)を維持できるかという「持続力」も、ホールの安定経営には不可欠である。飽きさせない奥深いゲーム性や、幅広い層に受け入れられるバランスの良さが求められる 50。
  3. 粗利率: プレイヤーの投入金額から景品として払い出す金額を差し引いた、ホールの直接的な利益率。粗利率の高い機種は、ホールの収益性に直接貢献するため、重要な評価指標となる。
  4. 機械代: 近年、開発費の高騰を背景に遊技機の販売価格は上昇を続けており、1台あたり50万円を超えることも珍しくない 29。高騰する機械代はホールの設備投資を圧迫する最大の要因であり、投資対効果(ROI)は極めてシビアに評価される。
  5. ブランドイメージと信頼性: 特定のメーカーやシリーズに対するプレイヤーからの信頼(「あのメーカーの台なら面白いだろう」という期待感)は、長期的な稼働を支える重要な要素となる。また、故障の少なさやアフターサポートの質といったメーカーへの信頼性も購買決定に影響する。
  6. スマート遊技機への対応とシステム連携: 今後の設備投資において、スマスロおよびスマパチへの対応は必須条件となる。既存のホールコンピュータや会員システムとの連携がスムーズに行えるかどうかも、新たなKBFとして浮上している。

6.2 顧客セグメント分析

ホールの規模や経営母体によって、上記のKBFの重視度には明確な違いが見られる。

  • 大手チェーン:
    全国に多店舗を展開する大手チェーンは、データに基づいた合理的な購買決定を行う。個別の店舗の短期的な売上よりも、企業全体のポートフォリオとして、長期的に安定した収益を生み出す機種構成を重視する。そのため、「長期的な稼働貢献度」や「粗利率」を特に重要視する傾向がある。また、メーカーとの間でシステム連携やデータ共有を含む、戦略的なパートナーシップを求める。
  • 中小・個店ホール:
    経営資源が限られる中小・個店ホールは、大手チェーンとの競争に打ち勝つために、短期的な起爆剤を求める傾向が強い。そのため、「短期的な集客力」に優れた話題機への依存度が高くなる。一方で、資金繰りが厳しいため「機械代」に対する価格感度は非常に高い。一台のヒット機が経営を大きく左右するため、購買決定はより投機的な側面を持つ。

この顧客セグメント間のニーズの違いは、メーカーの営業戦略にも影響を与える。大手チェーンに対しては長期的な視点でのソリューション提案が求められる一方、中小ホールに対しては短期的な集客効果と価格競争力が重要な訴求点となる。

第7章:内部環境分析

7.1 VRIO分析

企業の経営資源やケイパビリティが持続的な競争優位の源泉となり得るかを評価するVRIOフレームワークを用いて、業界の主要な強みを分析する。

  • 経済的価値(Valuable) & 希少性(Rare):
    • 世界的に有名なIPポートフォリオ: 『新世紀エヴァンゲリオン』、『機動戦士ガンダム』、『北斗の拳』、『バジリスク』といった、他社が容易に獲得できない強力なIP群は、集客の核となる価値と希少性を兼ね備えている。
    • ヒットを連続させる企画開発力: 特定のシリーズで継続的にヒット機種を生み出し、ファンを維持・拡大させる企画力と開発チームの能力は、模倣が困難な希少なケイパビリティである。
  • 模倣困難性(Costly to Imitate):
    • 型式試験を突破する技術的知見: 警察庁の規則を深く解釈し、それをクリアするソフトウェア・ハードウェアを設計・実装するノウハウは、長年の試行錯誤と経験の蓄積によってのみ得られる。これは、文章化できない暗黙知の塊であり、新規参入者や経験の浅いメーカーが短期間で模倣することは極めて困難である。
    • 確立されたブランドへの信頼: SANKYOの「フィーバー」ブランドのように、長年にわたってファンから築き上げられたブランドへの信頼感や期待感は、一朝一夕には構築できず、強力な模倣障壁となる。
  • 組織(Organized to Capture Value):
    • 全国を網羅する販売網: 全国各地の販売会社(ディーラー)との間に構築された、長年にわたる強固な信頼関係と流通ネットワーク。これにより、新台を迅速かつ確実に全国のホールへ供給し、販売機会を最大化する組織能力が備わっている。
    • 潤沢な財務基盤: 巨額の開発費を投じ、複数のプロジェクトを同時に走らせ、たとえ一部が不発に終わっても耐えうるだけの財務体力は、競争を勝ち抜く上で不可欠な組織的要素である。

7.2 人材動向

業界のビジネスモデルが転換期を迎える中、求められる人材像も大きく変化しており、人材の獲得と育成が深刻な経営課題となっている。

  • 求められる人材像の変化:
    従来の開発体制は、機構設計や電子回路を担うハードウェアエンジニアと、組み込みプログラミングを行うソフトウェアエンジニアが中心であった。しかし、現代の遊技機開発、特にデータ活用時代においては、以下のような新たな専門人材が不可欠となっている。
    • データサイエンティスト: ホールから収集される膨大な稼働データを統計的に分析し、ヒット機種の法則性やプレイヤーの潜在的ニーズを導き出す。
    • UX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナー: プレイヤーが遊技中に感じる「楽しさ」「興奮」「ストレス」などを体系的に設計し、長時間飽きさせない快適なプレイ体験を構築する。
    • IPプロデューサー: 原作IPの世界観や物語の本質を深く理解し、それをパチンコ・パチスロならではのゲーム体験へと翻訳・昇華させる。版権元との高度な交渉・調整能力も求められる。
  • 人材獲得競争の激化:
    これらの専門人材は、パチンコ業界だけでなく、より高い成長性と社会的イメージを持つゲーム業界やIT業界からの需要が極めて高い 51。特に優秀なエンジニアやデザイナーは、複数の業界から引く手あまたであり、パチンコ業界は厳しい人材獲得競争に晒されている。
  • 賃金相場とトレンド:
    競争の激化は賃金相場にも反映されている。以下の表に示す通り、ゲーム・IT業界における専門人材の給与水準は高く、パチンコ業界が同等以上の魅力的な待遇を提示できなければ、優秀な人材の獲得・維持は困難である。この「人材獲得コスト」の上昇は、開発費高騰の新たな要因となりつつある。
職種パチンコ業界 年収レンジ(推定)ゲーム業界 年収レンジIT業界 年収レンジ
ソフトウェアエンジニア500万円~900万円550万円~1,300万円600万円~1,500万円
UXデザイナー450万円~800万円500万円~1,000万円550万円~1,200万円
データサイエンティスト500万円~1,000万円700万円~1,300万円700万円~2,000万円
3Dアーティスト/デザイナー400万円~750万円450万円~1,000万円500万円~1,100万円

出典: 各種求人情報サイトの公開データを基に作成 51

7.3 労働生産性

  • 開発費の高騰と開発期間の長期化:
    業界の労働生産性における最大の課題は、開発費の高騰と開発期間の長期化である。そのボトルネックは複合的だが、主に以下の要因が挙げられる。
    1. 映像・演出の高度化: プレイヤーの期待に応えるため、液晶演出は年々美麗かつ複雑になり、制作に要する工数とコストが爆発的に増加している。
    2. 役物(ギミック)の複雑化: 他社との差別化を図るため、物理的な役物が大型化・複雑化し、機構設計と試作にかかるコストと時間が増大している 28。
    3. ソフトウェア規模の増大: ゲーム性の複雑化に伴い、プログラムのコード行数や検証項目が指数関数的に増加している。
      これらの要因により、有力IPを用いた主力機種の開発には、2~3年の期間と数億~10億円規模の費用がかかることが常態化しており、企業の収益性を構造的に圧迫している 29。

第8章:AIの影響とインパクト

AI(人工知能)技術は、パチンコ機器製造業界が抱える構造的課題を解決し、新たなビジネスモデルを創出する上で、極めて重要な鍵となる。そのインパクトは、バリューチェーンのあらゆる側面に及ぶ。

8.1 企画・開発プロセスへのインパクト

  • 市場・稼働データ分析AI: 現在、ヒット機種の企画は、プロデューサーの経験と勘に大きく依存している。ここにAIを導入することで、意思決定の精度を飛躍的に向上させることが可能になる。遊技機情報センターに集約される全国のホールからのビッグデータや、自社製品の稼働データをAIが分析。「特定のスペック(例:大当たり確率、RUSH突入率)が、どの地域の、どの客層に、どの程度の期間支持されるか」といった相関関係を導き出し、ヒット確率の高い企画立案をデータドリブンで支援する 62。
  • 生成AI(Generative AI): 開発工程におけるクリエイティブ作業の効率化に貢献する。例えば、液晶演出の絵コンテやシナリオのアイデアを複数パターン生成させたり、キャラクター設定の草案を作成させたりすることで、企画の初期段階を加速させる。また、背景画像やエフェクトといった2D/3Dアセットを自動生成することで、デザイナーがより本質的なクリエイティブ作業に集中できる環境を構築する 64。

8.2 品質保証・デバッグへのインパクト

  • AIによるデバッグ支援: 開発期間長期化の大きな要因であるデバッグ工程は、AI導入による効率化のポテンシャルが最も高い領域の一つである。人間によるテストプレイでは検証できるパターンに限界があるが、AIは膨大な組み合わせの遊技シミュレーションを24時間365日実行し、ソフトウェアのバグ、フリーズ、特定の操作手順で発生する意図しない挙動などを網羅的かつ自動的に検出できる。これにより、デバッグ期間の大幅な短縮と、市場投入後の不具合発生リスクの低減、ひいては製品品質の向上が期待できる。

8.3 製造・サプライチェーンへのインパクト

  • 需要予測AI: ホールの過去の購買データ、機種の特性、市場トレンド、競合の動向などをAIに学習させることで、新台の受注台数を高精度で予測する。この予測に基づき、部品の最適発注や生産計画の立案を行うことで、過剰在庫のリスクや機会損失を最小化し、サプライチェーン全体の効率を向上させる 63。
  • 外観検査AI: 製造ラインに設置した高解像度カメラで部品や製品の画像を撮影し、AIがリアルタイムで解析。人間の目では見逃しがちな微細な傷や、部品の組み付けミス、印字のかすれなどを瞬時に検出し、不良品の流出を未然に防ぐ。

8.4 新たなビジネス創出の可能性

  • AIを活用したホール向けデータコンサルティングサービス: AIによるデータ分析能力は、メーカー自身の製品開発だけでなく、顧客であるホールへの新たな付加価値提供にも繋がる。各ホールの固有の稼働データをAIで分析し、「貴店に最適な次期導入機種のポートフォリオ」「現有機種の稼働を最大化するための設定やイベント戦略」といった、具体的なコンサルティングサービスを有料で提供する。これは、従来の「モノ売り」から「サービス売り」への転換を象徴する新たなビジネスモデルとなり得る 62。
  • デジタルツインによる開発革命: 物理的な試作機を製作する前に、仮想空間上に機構、電子回路、ソフトウェア、そして玉の挙動に至るまで、実機と寸分違わぬ「デジタルの双子(デジタルツイン)」を構築する 66。この仮想環境上で、役物の動作シミュレーション、プログラムのデバッグ、さらにはAIによる数万回規模のテストプレイを実施することで、開発プロセスの大幅なフロントローディング(前倒し)と、物理試作段階での手戻りを抜本的に削減できる。このアプローチは、開発費と期間という業界最大の課題を解決する切り札となる可能性を秘めている。

第9章:主要トレンドと未来予測

これまでの分析を踏まえ、今後3~5年のパチンコ機器製造業界における主要なトレンドと、その帰結としての未来像を予測する。

9.1 スマート遊技機とデータ利活用の本格化

スマート遊技機の普及は、業界に「データ」という新たな経営資源をもたらした。遊技機情報センターに集約される全国規模の稼働データは、これまで各社がブラックボックスとしてきたヒットの法則性を解き明かすための「共有資産」となる。今後は、このビッグデータをいかに早く、深く分析し、自社の製品開発やサービスに活かすかが競争の焦点となる。将来的には、メーカー自身がデータ分析プラットフォームを開発し、ホール向けにSaaS(Software as a Service)モデルで提供する、あるいはデータ分析を専門とする新たなプレイヤーが業界に参入し、ホール経営支援、プレイヤー向け情報サービス、データに基づいた新たな広告ビジネスなどを展開する可能性も考えられる。

9.2 IP戦略の深化:「推し活」消費との完全なる融合

有力IPとのタイアップは、もはや単なるキャラクターの借用や話題性作りという段階を終え、より深いレベルでの融合へと進化する。今後の成功の鍵は、原作ファンがそのコンテンツに対して抱く「愛着」や「熱量」を正確に理解し、彼らが「体験したい」と強く願うストーリーや世界観を、パチンコ・パチスロならではのゲーム性や演出で見事に再現することにある 34。成功すれば、遊技機そのものがファンの「推し活」の対象となり、遊技収益だけでなく、遊技機と連動した限定グッズ販売や、ファンイベントの開催といった、新たな収益源を生み出す可能性を秘めている。

9.3 二極化の最終局面

業界の構造変化は、メーカー間の二極化をさらに加速させ、最終局面に至らしめるだろう。一方の極は、潤沢な開発資金とブランド力を背景に、A級の大型IPと革新的なハードウェア・ソフトウェア技術を組み合わせた「ブロックバスター機」を継続的に投入できる一握りの大手メーカーである。もう一方の極は、特定のジャンルやニッチなIPに特化し、熱狂的なファン層に深く刺さる尖ったゲーム性を追求する、小回りの利く中小メーカーである。この両極のいずれにも属さない、中途半端な戦略を取る中堅メーカーは、開発競争と価格競争の板挟みとなり、淘汰される可能性が高い。

9.4 海外展開の可能性

現状、日本の風俗営業適正化法と海外のカジノ関連法規には大きな隔たりがあり、パチンコ・パチスロ機をそのままの形で輸出するビジネスモデルは非現実的である。しかし、可能性が皆無というわけではない。特に、セガサミーホールディングスやユニバーサルエンターテインメントのように、カジノ向けゲーミングマシン(ビデオスロット等)の開発・販売で既に実績のあるメーカーにとっては、新たな道筋が見える。これらの企業が持つゲーミングマシン開発のノウハウと、日本が世界に誇る強力なIPコンテンツを融合させることで、従来のカジノゲームとは一線を画す、ストーリー性やスキル介入要素を取り入れた新しいジャンルのゲーミングマシンを開発し、海外市場に展開することは十分に考えられる戦略的オプションである。

第10章:主要プレイヤーの戦略分析

業界を牽引する主要上場メーカー4社の戦略を、公開されているIR資料に基づき比較分析する。各社の戦略の違いは、業界が直面する課題に対するアプローチの多様性を示している。

プレイヤー事業戦略とビジョン強み(コアコンピタンス)弱み・課題
SANKYOパチンコ市場での圧倒的No.1シェアを堅持しつつ、パチスロ事業を第二の柱として育成する「コア事業集中・深化」戦略。 69・『ガンダム』『エヴァ』等の強力なIPポートフォリオ ・業界随一のブランド力と強固な販売網 ・盤石な財務基盤と高い収益性・パチンコ市場への高い依存度 ・市場全体の縮小が業績に与える影響が大きい
セガサミーHD遊技機事業とエンタテインメントコンテンツ事業(ゲーム等)のシナジーを最大化する「トランスメディア戦略」。スマスロ市場での成功体験を軸に展開。 70・『ソニック』『龍が如く』等の豊富な自社IP ・スマスロ市場での先行者利益と高い技術力 ・多様な事業ポートフォリオによるリスク分散・遊技機事業の業績変動がグループ全体の収益安定性を左右する ・ゲーム事業と遊技機事業のシナジーがまだ限定的
平和遊技機事業とゴルフ事業(PGM)を両輪とする「多角化」戦略。安定収益源を確保しつつ、遊技機事業でのヒット創出を目指す。 71・ゴルフ事業がもたらす安定した収益基盤 ・『ルパン三世』『ガールズ&パンツァー』等の長寿人気IP・遊技機事業における近年のメガヒット不足 ・2つの主要事業間での直接的なシナジー創出の難しさ
ユニバーサルエンターテインメント遊技機事業とフィリピンでのIR(統合型リゾート)事業を二本柱とする「グローバル・エンタメ」戦略。 73・『ミリオンゴッド』『バジリスク』等、パチスロにおける熱狂的ファンを持つIP群 ・IR事業による将来的な成長ポテンシャル・IR事業の地政学的リスクと業績変動 ・型式試験適合率の低迷による新製品投入の遅延リスク 73

出典: 各社IR資料 69

分析

  • SANKYOは、業界のリーダーとしてコア事業のさらなる強化を図る王道戦略を取る。高い収益性とブランド力を武器に、市場縮小下でもシェアを拡大することで成長を目指す。
  • セガサミーホールディングスは、グループ内の豊富なIP資産を遊技機に活用し、さらに遊技機でのヒットをゲームや映像に還流させるという、他社にはない独自のシナジーモデルを追求している。スマスロでの成功は、この戦略の有効性を証明した。
  • 平和は、遊技機市場の不確実性を認識し、全く異なる安定収益源としてゴルフ事業を確立。リスクヘッジを重視した堅実な経営戦略が特徴である。
  • ユニバーサルエンターテインメントは、国内の遊技機事業と海外のIR事業という、異なる市場・規制下にある事業を両立させる野心的な戦略を取る。成功すれば大きな成長が見込めるが、リスクも大きい。

これらの戦略の違いは、各社が認識する業界の将来像と自社の強みに基づいている。これらの競合の動きを注視し、自社の立ち位置を明確にした上で、独自の戦略を構築する必要がある。

第11章:戦略的インプリケーションと推奨事項

11.1 業界の成功要因(Key Success Factors)

これまでの包括的な分析を統合すると、今後3~5年でパチンコ機器製造業界の勝者と敗者を分ける要因(KSF)は、以下の4点に集約される。

  1. A級IPの獲得と世界観の深い実装能力: もはや単なるキャラクターの借用ではファンに響かない。原作の世界観を深く理解し、ファンが納得するクオリティで遊技機のゲーム体験に昇華させる能力が、ヒットの絶対条件となる。
  2. データ活用能力: 遊技機情報センターのビッグデータや自社機の稼働データを収集・分析し、それを製品開発の精度向上や、ホールへのコンサルティングサービスといった新たな収益源に転換する能力。
  3. スマスロ市場での競争力: 現在、業界で唯一明確な成長市場であるスマスロにおいて、ヒット機種を継続的に生み出し、確固たる地位を築けるかどうかが、短期的な収益を大きく左右する。
  4. 開発の効率性と生産性: AIやデジタルツインといった新技術を導入し、構造的に高騰し続ける開発コストと期間をコントロール下に置き、収益性を確保する開発プロセスを構築できるか。

11.2 直面する機会と脅威

上記のKSFと外部環境分析から、捉えるべき機会(Opportunity)と備えるべき脅威(Threat)は以下の通りである。

  • 機会(Opportunities):
    • スマート遊技機によるゲームチェンジ: 物理的制約からの解放は、これまでにない新しいゲーム性を生み出すチャンスである。
    • データビジネスという新市場の創出: 稼働データの利活用は、遊技機販売に次ぐ新たな収益事業となるポテンシャルを秘めている。
    • IP「推し活」消費の取り込み: 熱量の高いIPファンダムをターゲットにすることで、新規顧客層の開拓と、より高付加価値なビジネス展開が可能になる。
  • 脅威(Threats):
    • 代替エンタメによる顧客流出: 特に若者層の「タイパ」重視の価値観に対応できなければ、市場は先細る一方である。
    • 更なる規制強化のリスク: 依存問題などを背景に、射幸性に対する規制がさらに強化される可能性は常に存在する。
    • 開発・人材獲得コストの構造的高騰: 業界の収益性を根本から蝕む、コスト上昇の圧力は今後も続く。

11.3 戦略的オプションの提示と評価

これらの機会と脅威を踏まえ、取り得る戦略的オプションを3つ提示し、評価する。

  • Option A: 現状維持・コア事業深耕
    • 概要: 既存のビジネスモデルの枠内で、経営資源をヒット機種開発に集中投下し、短期的なシェア獲得を目指す。
    • メリット: 組織変革の必要が少なく、実行が容易。短期的な成功(ヒット)の確率は比較的に高い。
    • デメリット: 業界の構造変化(データ化、サービス化)に背を向けることになり、長期的には市場縮小と共にジリ貧になるリスクが極めて高い。
  • Option B: 積極的M&A・多角化
    • 概要: ゲーム会社やIPホルダー、あるいは全くの異業種企業を買収し、遊技機事業への依存度を低減させる(平和のゴルフ事業買収が類似例)。
    • メリット: 事業ポートフォリオの多様化によるリスク分散。新たな成長機会の獲得。
    • デメリット: M&Aには高額な投資が必要であり、財務的リスクが大きい。買収後の事業間シナジー創出の難易度も非常に高い。
  • Option C: コア事業変革・価値の再定義(推奨)
    • 概要: 遊技機開発を事業の中核と位置づけつつ、そのビジネスモデルをデータとIPを軸に「モノ売り」から「コト・サービス売り」へと変革する。
    • メリット: 業界の構造変化に正面から対応し、データコンサルティングやIPライセンスといった新たなストック収益源を構築することで、持続的成長の基盤を築ける。
    • デメリット: 従来の組織文化からの変革が必須。データサイエンティストやUXデザイナーといった新たな専門人材の獲得・育成に時間とコストがかかる。

11.4 最終提言とアクションプラン

提言:Option C「コア事業変革・価値の再定義」を採択すべきである。
市場の不可逆的な変化に鑑み、現状維持は緩やかな衰退を意味し、多角化は本業とのシナジーが見えにくい。自社の強みである遊技機開発能力を活かしつつ、その価値提供の方法を時代に合わせて進化させる本オプションこそが、最も合理的かつ持続可能な成長戦略である。
実行に向けたアクションプラン概要:

  • Phase 1 (Year 1): 基盤構築
    • 主要アクション:
      • CEO直下に「DX・新規事業推進室」を設立。
      • データサイエンティスト、UXデザイナー、IPプロデューサーを計5~10名、外部からの中途採用で獲得。
      • 開発部門にて、主力開発ラインの1つを対象にデジタルツイン導入のPoC(概念実証)を開始。
      • 特定の大手ホールチェーンと連携し、データ分析に基づくコンサルティングのパイロットプログラムを開始。
    • 主要KPI: 専門人材の採用完了、デジタルツインPoCの技術的検証完了、パイロットプログラムにおける稼働率改善効果の測定。
    • 必要リソース: DX推進・人材採用のための特別予算、経営層の強力なコミットメント。
  • Phase 2 (Year 2-3): 事業展開
    • 主要アクション:
      • データコンサルティングサービスを正式に事業化し、有料で提供を開始。
      • デジタルツインを全開発ラインに本格展開。
      • 社内に「IP創出・インキュベーション部門」を設立し、外部クリエイターとの連携を通じてオリジナルIPの開発に着手。
    • 主要KPI: データコンサルティング事業の単年度黒字化、開発リードタイムの前年比10%短縮、オリジナルIPの企画案(最低3件)の具体化。
    • 必要リソース: コンサルティング部門の人員増強、IP開発のための投資予算。
  • Phase 3 (Year 4-5): エコシステム化
    • 主要アクション:
      • 自社開発のオリジナルIPを活用した第一弾の遊技機を市場投入。
      • データコンサルティング事業をプラットフォーム化し、他社データの分析も請け負うサービスへ拡張。
      • 必要に応じて、独自の技術を持つソフトウェア企業や、魅力的なIPを持つコンテンツ企業とのM&Aやアライアンスを検討。
    • 主要KPI: データ事業が全社営業利益の10%以上に貢献、オリジナルIP遊技機が販売台数目標を達成、開発リードタイムの累計20%短縮。
    • 必要リソース: M&A/アライアンスのための戦略的投資枠の設定。

第12章:付録

参考文献・引用データ・参考ウェブサイト

本レポートの作成にあたり、以下の情報源を参照した。

  • 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」 77
  • 警察庁生活安全局保安課「風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について」 2
  • 公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書」 1
  • 株式会社矢野経済研究所 各種市場調査レポート 5
  • 株式会社SANKYO IR情報 69
  • セガサミーホールディングス株式会社 IR情報 70
  • 株式会社平和 IR情報 71
  • 株式会社ユニバーサルエンターテインメント IR情報 73
  • その他業界専門メディア(遊技通信、遊技日本、Amusement Japan、P-WORLD等)

専門用語解説

  • 型式試験(かたしきしけん): 新しいパチンコ・パチスロ機を販売する前に、警察庁の定める規則に適合しているかどうかを審査する試験。保安通信協会(保通協)などの指定試験機関が実施する。
  • 保通協(ほつうきょう): 保安通信協会の略称。型式試験を行う代表的な指定試験機関。
  • スマート遊技機(スマートゆうぎき): パチンコの玉やパチスロのメダルに直接触れることなく遊技できる新しい形態の遊技機。「スマパチ」「スマスロ」の総称。
  • Cタイム: 主にスマパチに搭載可能な機能。ラッシュ(大当たりが連続しやすい状態)終了後などに突入する、ラッシュへの引き戻しチャンスゾーン。
  • コンプリート機能: 1日の払出玉(メダル)数が上限に達した場合、それ以上の遊技ができなくなる機能。ギャンブル等依存症対策の一環として搭載が義務化されている。
  • 日工組(にっこうそ): 日本遊技機工業組合の略称。パチンコ遊技機メーカーで構成される業界団体。
  • 日電協(にちでんきょう): 日本電動式遊技機工業協同組合の略称。パチスロ遊技機メーカーで構成される業界団体。
  • VRIO(ヴリオ): 企業の経営資源が持つ競争優位性を「Value(経済的価値)」「Rareness(希少性)」「Imitability(模倣困難性)」「Organization(組織)」の4つの観点から分析するフレームワーク。

引用文献

  1. ホール数・ファン人口の推移 – パチンコ業界WEB資料室, http://pachinko-shiryoshitsu.jp/structure-industry/transition/
  2. パチンコ業界の動向と展望|株式会社 帝国データバンク[TDB], https://www.tdb.co.jp/report/industry/u07-pachinko/
  3. パチンコ業界の店舗数推移とその背景 – HAPPY CRAZY(ハピクレ), https://happy-crazy.com/2025/07/12/%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%BA%97%E8%88%97%E6%95%B0%E6%8E%A8%E7%A7%BB%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E8%83%8C%E6%99%AF/
  4. ホール店舗数6706軒、24年末時点|警察庁発表 – Amusement Japan, https://amusement-japan.co.jp/article/detail/10004806/
  5. 2028年予測、パチンコ店5900件、遊技機設置台数308万台⁉(矢野経済研究所), https://www.fieldservice.store/business-news/2028%E5%B9%B4%E4%BA%88%E6%B8%AC%E3%80%81%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3%E5%BA%975900%E4%BB%B6%E3%80%81%E9%81%8A%E6%8A%80%E6%A9%9F%E8%A8%AD%E7%BD%AE%E5%8F%B0%E6%95%B0308%E4%B8%87%E5%8F%B0
  6. 遊技産業レポート2023, https://mirai-pachinko.jp/wp-content/uploads/2023/05/02light.pdf
  7. パチンコ・パチスロ参加人口660万人で前年比110万人減少 市場規模15兆7000億円で前年比1.1兆円増加 – ぱちんこかるちゃー倶楽部, https://p-cultureclub.com/news/8291/
  8. 警察庁が風営白書を公開~営業所数582件減・遊技台数13万8千台減~ | パチンコ設備修理, https://www.fieldservice.store/business-news/%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E5%BA%81%E3%81%8C%E9%A2%A8%E5%96%B6%E7%99%BD%E6%9B%B8%E3%82%92%E5%85%AC%E9%96%8B%EF%BD%9E%E5%96%B6%E6%A5%AD%E6%89%80%E6%95%B0582%E4%BB%B6%E6%B8%9B%E3%80%81%E9%81%8A%E6%8A%80-2
  9. パチンコ・パチスロは9.9万台減の332.6万台/警察庁 | P-WORLD パチンコ業界ニュース, https://news.p-world.co.jp/articles/30664/nippon
  10. パチンコ業界の今後は? パチンコ業界の現状や課題から今後を分析 – チャンスアップ, https://chance-up.jp/%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AE%E4%BB%8A%E5%BE%8C%E3%81%AF-%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AE%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E3%82%84%E8%AA%B2%E9%A1%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E4%BB%8A%E5%BE%8C%E3%82%92%E5%88%86%E6%9E%90/
  11. 業界環境 | 株式会社平和, https://www.heiwanet.co.jp/ir/kojin/kojin1/
  12. 業界データ|Amusement Japan パチンコ・パチスロビジネスの最新情報 株式会社アミューズメントプレスジャパン, https://amusement-japan.co.jp/data/
  13. パチンコ関連機器市場に関する調査を実施(2024年) | ニュース・トピックス – 矢野経済研究所, https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3673
  14. 【矢野経済研究所プレスリリース】パチンコホール経営企業の売上・利益動向調査を実施(2024年)~パチンコホール経営企業110社の2023年度決算平均、増収増益も営業利益率は1%未満に留まる – ドリームニュース, https://www.dreamnews.jp/press/0000315426/
  15. パチンコ・パチスロ販売実績2024|業界最速のパチンコ、パチスロ …, https://www.pachinkovillage.com/news_2/?id=176915
  16. 若年男性と女性向けパチンコ施策が奏功|『レジャー白書2024』 – Amusement Japan, https://amusement-japan.co.jp/article/detail/10004603/
  17. 業界早わかりガイド|個人投資家の皆様へ | 円谷フィールズホールディングス株式会社, https://www.tsuburaya-fields.co.jp/ir/j/individual/guide/
  18. 【特別寄稿】パチンコ産業の歴史㉓ 2004年規則改正と風適法の歴史(WEB版)/鈴木政博, https://yugi-nippon.com/pachinko-column/post-63084/
  19. 「コンプリート機能」とは何ですか? | パチンコ・パチスロ初心者のイロハ, https://www.sankyo-fever.jp/beginner/qa/s_86.php
  20. スマパチの新機能「Cタイム」について徹底解説! 概要・狙い目・突入契機・メリット, https://p-mart.net/c_time/
  21. 2023年4月以降にホール導入された『スマパチ』とは | パチンコ・パチスロの遊び方を学ぶならSANKYOファンサイト, https://www.sankyo-fever.jp/help/info04.html
  22. ギャンブル等依存症対策について – 千葉県, https://www.pref.chiba.lg.jp/shoufuku/gambletouizon/index.html
  23. ギャンブル等依存症対策基本法とは – 成立までの経緯 – 特定非営利活動法人ASK, https://www.ask.or.jp/article/8519
  24. ギャンブル等依存症対策推進基本計画 令和7年3月 21 日, https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gambletou_izonsho/pdf/kihon_keikaku_honbun_20250321.pdf
  25. 「スマートパチンコ(スマパチ)」とは? 代表機種から導入時期・スペックまで徹底解説, https://p-town.dmm.com/specials/2675
  26. 【スマートパチスロ】仕様の説明から業界の裏話まで……スマスロ徹底解剖!! – 777パチガブ, https://p-gabu.jp/guideworks/feature/636
  27. ギャンブル等依存症対策基本法及び基本計画の概要等について, https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gambletou_izonsho/setsumeikai/dai1/siryou1.pdf
  28. 【闇を語れ】なぜ羽根モノは廃れたのか…?|初老パチンコ開発者@語り部万吉 – note, https://note.com/kataribe_mk/n/nec8dcbbe628e
  29. 【コラム】1台40万円が普通になったぱちんこ機について(後編) – 『遊技日本』, https://yugi-nippon.com/pachinko-column/post-16023/
  30. タイパとは?具体例やZ世代がタイパを重視する理由を解説, https://www.nttcoms.com/service/mobileweb/column/time-performance/
  31. コスパよりタイパ?Z世代で流行する背景とメリットとは – Cotra, https://www.transcosmos-cotra.jp/cx/time_performance
  32. 「ドラゴンエッグ」にて「海物語」とのコラボイベントが開催!マリンやサムが登場するガチャが初回11連無料 | Gamer, https://www.gamer.ne.jp/news/202008280067/
  33. ルーデル、『ドラゴンエッグ』でパチンコIP「海物語」とのコラボイベントを開催!「マリン」たちがコラボ限定ガチャから登場 | gamebiz, https://gamebiz.jp/news/275135
  34. “IPコラボ”ってなんなんだ? 『ワンピース フィルムレッド』×「Ado」のコラボは何が凄かったのか? コラボ企画を実践してきたプロと共に、その方程式を徹底議論してみた – 電ファミニコゲーマー, https://news.denfaminicogamer.jp/interview/221020j
  35. 国内IPコンテンツのドメスティックな展開 – 5バリューアセット, https://5va.co.jp/column/financial_column/domestic_ip/
  36. パチンコが“原作アニメ”への入口に? 「炎炎はパチンコがきっかけで観た」ギアス、まどマギも…ユーザーたちの声 | キャリコネニュース, https://news.careerconnection.jp/entame/205734/
  37. 7月の型式試験実施状況、パチスロの適合率が若干上昇 – 遊技通信, https://www.yugitsushin.jp/news/gyousei/7%E6%9C%88%E3%81%AE%E5%9E%8B%E5%BC%8F%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%AE%9F%E6%96%BD%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%80%81%E3%83%91%E3%83%81%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%81%AE%E9%81%A9%E5%90%88%E7%8E%87%E3%81%8C%E8%8B%A5%E5%B9%B2/
  38. 8月の型式試験実施状況、適合率がどちらも低下 – 遊技通信, https://www.yugitsushin.jp/news/gyousei/8%E6%9C%88%E3%81%AE%E5%9E%8B%E5%BC%8F%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%AE%9F%E6%96%BD%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%80%81%E9%81%A9%E5%90%88%E7%8E%87%E3%81%8C%E3%81%A9%E3%81%A1%E3%82%89%E3%82%82%E4%BD%8E%E4%B8%8B/
  39. P-WORLD パチンコ・パチスロ店情報, https://news.p-world.co.jp/articles/search?query=%E9%81%A9%E5%90%88%E7%8E%87
  40. パチンコ適合率の悪化続く、パチスロは適合率10%前後で推移, https://web-greenbelt.jp/post-103529/
  41. 保通協8月実施の型式試験 適合率はパチンコ11.8%、パチスロ9.4%に悪化 – 遊技日本, https://yugi-nippon.com/pachinko-news/post-73057/
  42. パチンコ適合率の悪化続く、パチスロは適合率10%前後で推移 – DMMぱちタウン, https://p-town.dmm.com/specials/news/9224
  43. 【パチンコ・パチスロ業界向け】2025年広告宣伝ガイドライン第3版を完全解説 – P&Sコンサルタント, https://p-s-consultant.com/blog/guideline/
  44. 【2025年最新】パチンコ広告宣伝ガイドライン改定(第3版)の変更点を完全解説!SNS違反を防ぐ対策ツールも紹介 – 株式会社BLITZ Marketing, https://blitz-marketing.co.jp/column/19512/
  45. 【最新版】パチンコ広告宣伝ガイドライン改定(2025年5月29日)まとめ, https://p-heros.com/researches/pachinko-ad-guidelines-update-2025-05/
  46. ホール関係4団体が「広告宣伝ガイドライン第3版」を制定 新類型を追加 – 遊技通信, https://www.yugitsushin.jp/news/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%96%A2%E4%BF%824%E5%9B%A3%E4%BD%93%E3%81%8C%E3%80%8C%E5%BA%83%E5%91%8A%E5%AE%A3%E4%BC%9D%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E7%AC%AC3%E7%89%88%E3%80%8D/
  47. 広告ガイドライン第3版の変更点と解釈の分岐点|カミーユ・ビダン – note, https://note.com/great_myrtle4779/n/n1e5e54142446
  48. ホール関係4団体、広告宣伝のガイドライン第3版発表、公約系イベントなどにメス【音声解説あり】, https://p-town.dmm.com/specials/news/8863
  49. パチンコの新台入替とは何か?—目的・歴史などパチンコ新台入替を解説 – チャンスアップ, https://chance-up.jp/%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%81%AE%E6%96%B0%E5%8F%B0%E5%85%A5%E6%9B%BF%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B%E7%9B%AE%E7%9A%84%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3%E6%96%B0%E5%8F%B0%E5%85%A5%E6%9B%BF%E3%82%92%E8%A7%A3%E8%AA%AC/
  50. パチンコ店の新台入替論:新台導入における経営戦略と心理学的アプローチ – P&Sコンサルタント, https://p-s-consultant.com/blog/newmachine/
  51. データアナリスト(自社パチンコゲーム/セガサミーHD/福利厚生 ) – Geekly(ギークリー), https://www.geekly.co.jp/search/detail/799323/
  52. 関東/データサイエンティスト・データアナリスト/旅行・エンタメ業界の転職・求人・中途採用情報 – リクルートエージェント, https://www.r-agent.com/kensaku/kinmuchi/kanto/ocpt1-02/ocpt2-02/ocpt3-08/industry1-08/
  53. パチンコ プログラマーの仕事・求人情報 – 求人ボックス, https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B
  54. アミューズメント・エンタメ・ゲームメーカー、データサイエンティスト の転職・求人検索結果 – doda, https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchList/j_ind__0209S/-oc__0320M/-preBtn__2/
  55. 【ゲーム・映像】データアナリストの転職・求人一覧 – シリコンスタジオエージェント, https://ss-agent.jp/jobsearch/jobtype/11514
  56. 【アミューズメント・エンタメ・ゲームメーカー】データアナリスト・データサイエンティスト・リサーチャーの転職・求人・中途採用情報 doda(デューダ), https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchList/j_ind__0209S/-oc__0206M/-preBtn__2/
  57. ゲームデザイナーの年収について3種のカテゴリー別に解説 – 株式会社Hiraku agent, https://hiraku-agent.com/column/2300/
  58. ゲームクリエイターの平均年収は?職種別の給与や年収を上げる方法も – お知らせ|北海道ハイテクノロジー専門学校, https://www.hht.ac.jp/news/61881/
  59. ゲームデザイナーの年収は?年収を上げる方法や具体的な案件例を紹介 – レバテックキャリア, https://career.levtech.jp/guide/knowhow/article/989/
  60. ゲーム業界で年収1000万は可能?転職と年収の関係、注目の外資系|遊理 – note, https://note.com/yuly_games/n/n0421a6a34f6e
  61. 「ゲーム開発がなぜ長期化しつつあるのか」開発者らがTwitterで分析。ゲームの進歩がもたらした影, https://automaton-media.com/articles/newsjp/20220530-204510/
  62. パチンコ業界におけるAIの役割とメンタルヘルスのサポート – AIさくらさん, https://www.tifana.ai/article/mental-article-978
  63. パチンコ業会でのAIの活用方法は? | Webアプリ・機械学習・生成AIメディア, https://exatech.dev/media/pachinko_ai/
  64. 【レポート】生成系AIが起こすパチンコ販促革命 「チャットGPT」が認知向上のトリガーに, https://web-greenbelt.jp/post-73580/
  65. 人工知能が支えるスマートサプライチェーンの未来 | newji, https://newji.ai/procurement-purchasing/the-future-of-ai-powered-smart-supply-chains/
  66. デジタルツインとは?わかりやすく最新技術を徹底解説。メリットや導入事例も! – SCSK, https://www.scsk.jp/sp/itpnavi/article/2024/11/digitaltwin.html
  67. デジタルツインとは?活用分野や必要な技術、メリットについてわかりやすく解説 | ジチタイワークス, https://jichitai.works/article/details/2759
  68. 産業分野におけるメタバース/デジタルツイン活用|ソリューション|3DCG技術 – シリコンスタジオ, https://tech.siliconstudio.co.jp/solution/metaverse-digitaltwin/
  69. IR(投資家情報) | パチンコ・パチスロメーカーSANKYO, https://www.sankyo-fever.co.jp/corporate/ir/
  70. 投資家情報|セガサミーホールディングス, https://www.segasammy.co.jp/ja/ir/
  71. (株)平和【6412】:株価・株式情報 – Yahoo!ファイナンス, https://finance.yahoo.co.jp/quote/6412.T
  72. IR情報TOP | 株式会社平和, https://www.heiwanet.co.jp/ir/
  73. ユニバーサルエンターテインメント、経常損失55億円と赤字転落 遊技機の新製品が型式試験適合率の低迷で期ズレ IR事業もVIP落ち込み | gamebiz, https://gamebiz.jp/news/400804
  74. 投資家情報|株式会社ユニバーサルエンターテインメント, https://www.universal-777.co.jp/ir/
  75. IR情報 – 三共生興グループ SANKYO SEIKO GROUP, https://www.sankyoseiko.co.jp/ir/
  76. ユニバーサルエンターテインメント(6425) 東証スタンダード 決算 | マーケット情報 | 松井証券, https://finance.matsui.co.jp/stock/6425/settlement/index
  77. パチンコ店の売上推移【特定サービス産業動態統計/2021年6月】, https://www.e-pachinko.org/news/2021/09/02/%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3%E5%BA%97%E3%81%AE%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E6%8E%A8%E7%A7%BB%E3%80%90%E7%89%B9%E5%AE%9A%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E7%94%A3%E6%A5%AD%E5%8B%95%E6%85%8B%E7%B5%B1/
  78. 5月の1店舗あたりの売上高-前年比104%の2.2億円/特定サービス産業動態統計調査, https://news.p-world.co.jp/articles/28404/nippon
  79. 11月の売上高-1台あたり36万円、前年比2.6万円増/特定サービス産業動態統計調査, https://yugi-nippon.com/pachinko-news/post-69127/
  80. 前年同月比111%増、1台あたりの売上高は42.2万円/特定サービス産業動態統計調査, https://yugi-nippon.com/pachinko-news/post-67424/
  81. パチンコ・パチスロの市場規模 | 株式会社 藤商事, https://www.fujimarukun.co.jp/corp/ir/individuals/market.html
  82. 「レジャー白書2024」(速報版) 詳細資料, https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/app_2024_leisure_pre.pdf
  83. パチンコの市場規模は1.1兆円増、参加人口は110万人減!【レジャー白書2024】 – PiDEA X, https://www.pidea.jp/articles/1730249712
  84. 2025年版 パチンコ関連メーカーの動向とマーケットシェア – 矢野経済研究所, https://www.yano.co.jp/market_reports/C67113500
  85. 2024 パチンコ産業白書 – ヤノデータバンク(YDB), https://www.ydb.jp/market_reports/C66120400
  86. (株)SANKYO【6417】:決算情報 – Yahoo!ファイナンス, https://finance.yahoo.co.jp/quote/6417.T/financials
  87. SANKYO、2Qは前期比で大幅な増収増益を達成 連結配当性向40%を目安とした業績連動配当を導入、自己株式取得及び消却を発表, https://finance.logmi.jp/articles/378715
  88. IR ライブラリ – 株主・投資家の皆さま – 第一三共株式会社, https://www.daiichisankyo.co.jp/investors/library/
  89. SANKYO【6417】のIRリポート – 株探(かぶたん), https://kabutan.jp/stock/ir_report?code=6417
  90. セガサミーホールディングス(株)【6460】:株価・株式情報 – Yahoo!ファイナンス, https://finance.yahoo.co.jp/quote/6460.T
  91. IRライブラリ|投資家情報 – セガサミーホールディングス, https://www.segasammy.co.jp/ja/ir/library/
  92. セガサミーホールディングス株式会社 会社説明資料 – SBI証券, https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/seminar/home_seminar_briefing_230920_segasammy.pdf
  93. 【QAあり】セガサミーHD、「ソニック」などゲーム発IPの規模拡大、遊技機での安定収入で3ヶ年累計調整後EBITDA2,300億円達成を目指す – logmi Business, https://finance.logmi.jp/articles/381395
  94. セガサミーホールディングス株式会社 – ログミーファイナンス, https://finance.logmi.jp/companies/235
  95. 株主・投資家情報(IR)|平和不動産株式会社, https://www.heiwa-net.co.jp/ir/
  96. IR情報|ファンシーペーパーの平和紙業株式会社, https://www.heiwapaper.co.jp/ir/
  97. 株式会社平和 | IR情報 – NET, https://irvision2next.blob.core.windows.net/6412/cms/ir/ir_top.php
  98. 株式会社平和, https://www.heiwanet.co.jp/
  99. (株)ユニバーサルエンターテインメント【6425】:株価・株式情報 – Yahoo!ファイナンス, https://finance.yahoo.co.jp/quote/6425.T
  100. ユニバエンター(6425) : 決算・業績進捗情報|株予報Pro, https://kabuyoho.jp/sp/report?bcode=6425
  101. 【6425】ユニバーサルエンターテインメント | バリュートレンド 長期投資家のためのIR情報, https://e-actionlearning.jp/companies/6425/ir
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